「整数の性質」(偶数や奇数の問題)が苦手です…
中学生から、こんなご相談が届きました。
「“整数の性質”という問題が苦手です。
なぜ n を使うのですか?
また、解き方のコツってありますか?」
はい、もちろんコツはあります。
中2数学の「式の計算」の一部ですね。
大事なポイントなので、
ここを乗り越えると実力アップです!
コツを書いていくので、注目してください。
■なぜ n を使うのか ⇒ その方が「便利」だから!
文字を含んだ式の、
・足し算や引き算なら普通にできるけど
・「説明しなさい」と来ると難しく感じる…
という生徒さんは多いですね。
でも、そんなに難しくないので、
まずは一番大事なルールをひとつ。
◆数学では、「ある数」を n と表すことが多い
これを知るだけでも、一歩前進ですよ。
たとえば、
「ある数の2倍」と言われたら 2 n
「ある数に5を加える」と言われたら n + 5
と書くのがコツです。
こうやって、
「ある数」を文字で表記して、
一般化するのが中学校の数学ですね。
(一般化というのは、
・方程式で使えたり
・色々な場面で成り立ったり
と、話に広がりが出ることです。
答えが1つしか出ないように、
狭い範囲でだけ考えるのが
小学校の算数でしたが、
それだけだと、「使える場面」も
少ないという欠点が残るんです。
そのため大人は、
“できるだけ色々な場面に当てはまる”
考え方をしようとします。
1箇所でしか使えない法則よりも、
100箇所で使える方が便利だからです。)
■では、具体的な問題のヒントを
問題集に載っているものを、
ここに全部写すと長すぎるので、
中学生の皆さんが、
ワークの解答を見れば、
次から自分で理解できるように、
この記事ではお手伝いします。
すなわち、
“皆さんが引っかかりやすい箇所”
に焦点を当てて、ピンポイント解説しますよ。
<パターン1> 連続する●●という問題
連続する2つの整数 → n、n+1
連続する3つの整数 → n、n+1、n+2 (※)
(※ n -1、n、n+1 と考えてもOK)
連続する整数というのは、
「1と2と3」、「5と6と7」などの
事なのですが、
1ずつ増える数だと分かれば
話は早いでしょう。
左を「ある数 n」と考えれば、
右は「それより1大きい数」 (n + 1) です。
<パターン2> 倍数の問題
2の倍数 → 2 n
3の倍数 → 3 n
9の倍数 → 9 n
倍数の問題は、●× n で全てOK
なぜなら、たとえば「3の倍数」は、
3×1、3×2、3×3、3×4 ……など、
どんな時も「3×ある整数」で表記できます。
⇒ 「ある整数」は n と書けるので、
⇒ 「3× n (n は整数)」とすれば一番短いからです。
ただし n に入る数字は
整数でないといけません。
たとえば、n = 0.5 だったりすると、
3 n は、3の倍数では
なくなってしまうからです。
ですから、n を使った倍数表記は、
★ 3 n (n は整数)
などと書いてくださいね。
「n は整数」という部分まで、
しっかり書く必要がありますよ!
<パターン3> 「偶数」と書いてあったら
偶数 → 2 n
偶数というのは要するに、2の倍数です。
2で割れる数が、偶数ですからね。
<パターン4> 「奇数」と書いてあったら
奇数 → 2n+1 (または 2n-1)
偶数より1多いのが「奇数」です。
比べてみましょうか。
偶数とは、0、2、4、6、8…
奇数とは、1、3、5、7、9…
⇒ 奇数の方が「1大きい」ですね。
<パターン5> 連続する偶数、奇数
連続する2つの偶数 → 2 n、2n+2
連続する2つの奇数 → 2n+1、2n+3
偶数は、「2ずつ」増えます。0、2、4、6…
奇数も、「2ずつ」増えます。1、3、5、7…
<パターン6> 「2つの●●」という問題
「2つの偶数を足しなさい」
「2つの偶数を掛けなさい」とタイプの問題です。
2つの偶数 → 2 m、2 n
2つの奇数 → 2m+1、2n+1
こう書けばOK。
「2つの●●」では、
使う文字も2種類にしましょう。m と n で。
△ 2n と 2n
のように、
同じ文字を2回使うのは避けましょう。
同じ数 2n を2回書けば、
「同じ数」同士を足したことになります。
(たとえば4+4など)
しかし問題は、
「2つの偶数を足しなさい」でしたね。
「同じ数を足しなさい」とは
言っていないので、
要求とずれてしまいますから、
「2つの●●」と来たら、文字も2種類使うのです。
…
【まとめ】
上記のパターン1~6を理解すれば、
問題集(ワーク)の解答を見た時に、
「なるほど!」と自分で言える場面が
すごく増えますよ。
少しずつこの分野が得意になる筈なので、
この記事を丁寧に読んだら、
ワークで練習を繰り返して下さいね!
<おまけ>
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