反比例は「1次関数」ではない! | 中2生の「数学」のコツ

教科ごとの勉強法

中2です。「1次関数」と比例・反比例の関係って…?

 
中学生から、こんなご質問が届きました。

1次関数と、比例・反比例の違いは何ですか?

 “1次関数を選びなさい”という問題では、

 比例は選んでOKで、
 反比例はダメなのですね?」



すごく良い質問だと思います。

おっしゃる通りで、

比例は“1次関数の仲間”

いっぽうで、

反比例は“1次関数ではない”

と考えるのが、中学校の数学です。


以下でポイントを解説するので、

丁寧に読んでみてくださいね。


■1次関数の表し方とは?

yがxの1次式で表されるとき、
yはxの1次関数である

…と教科書では説明されます。

教科書だけでは
ピンとこないかもしれませんが、


要するに、

y = ax + b

という形になったら1次関数です。

このように覚えるのが、
中2数学のコツですね。



[中学生によくある誤解]

「1次関数」には、

こんな誤解もよくあります。

× “ax”というのは、
  文字が2個かけてあるから、2次式ですよね?


これは実は誤解で、

1次関数の場合、

a という文字を使ったのは
あくまで仮の話なので、


実際には数字が入ります。

例えば、こんな感じです。

y= x + ・・・ 1次関数の例


a には「2」という数字が、
b には「3」という数字が、

この例では入りますから、

“ax”は、実際には「2 x」なので、

次数は1、つまり1次式なのです。

(だから「1次関数」と言うのですよ!)

こうした点に納得することも、
実力アップのコツです。




■「比例」は、1次関数の“特別な形”

y= ax + b

これが「1次関数」であることは
もう納得できましたね。

a,b には、いろいろな数字が入ります。

(ただし、a≠0ですよ。)

具体例を以下に4つ挙げてみましょう。


◇y=2x+3

◇y=-3x+4

◇y=4x-1

◇y=2x+0


4番目に注目してほしいのですが、

皆さんはこんな風に感じませんでしたか?

「+0と書いてありますが、

 こういう“0”は、
 書かなくてもよいのでは…?



こう感じた中学生は、
とてもセンスが良いと思います。

数学のコツに迫っているからです。

普通、“+0”や“-0”は、
書かないものですよね。



そこで、上記の4番目の例で、

「0を書かない」

ということを、あえてしてみましょう。

すると――

y = 2x

この形、どこかで見たような…

そう、「比例」の式ですね!


実はこのように、

「b = 0」になるタイプの1次関数

のことを、比例と呼ぶのです。


だから、

比例は1次関数の仲間

比例は、1次関数の“特別な形”

と言えるのですね。


(それはちょうど、図形の話で、

 「正方形」が、

 縦と横の長さが同じになっている、

 「特別な長方形」と言えるのと同じです。)


[ここまでのまとめ]

◇1次関数 y=ax+b で、b=0の時、

 ⇒ それを特別に、「比例」と呼ぶ

 ⇒ だから、「比例」は1次関数の仲間



■反比例は何次式?

では、反比例の話もしましょう。

反比例は1次関数なのでしょうか?

という、よくある疑問に対して、

反比例は、1次関数ではない

と結論をしっかり押さえるのが
数学のコツです。


(なお、「関数は苦手…」という中学生は、

 上に書いた結論を押さえれば、
 多くの問題が解けます。


 ここから下の解説は、

 より深く納得したい人向けです。)


反比例が1次関数かどうかを考えるため、

再び教科書に戻ってみます。

1次関数とは何だったかというと――

「yがxの1次式で表されるとき、

 yはxの1次関数である」


と説明されていますね。


これは逆に言えば、

「1次式でないのなら、1次関数ではない」

ということです。


さて、反比例はどうでしょうか?

反比例とは、y = a / x のことですが、

この次数を考えてみましょう。


次数とは、

「文字がいくつかけあわされているか」

で判断するので、

反比例 “y=a/x” をかけ算の形で
表す必要があります。


    a
y = ----
    x

   a      1
= ---- × ----
   1      x

       1
= a × ----
       x


ここまで考えてくると、

“1/x (x分の1)”って、次数はいくつなの

という疑問が出るでしょう。


ただここで、中学校で習う範囲を
少し超えてしまうんです。


分母に x が入るようなかけ算」で、

次数がいくつなのかを問う事は、
中学数学ではしない事だからです。


ここで1つ、はっきり言えることは、

・この形は「1次式」ではない

ということです。

ですから、こうした理由で――

反比例は「1次関数ではない」

と言い切ることができるのです。



<まとめ>

ご質問へのお答えをまとめると、
このようになります。

「1次関数を選びなさい」という問題では、

y = ax + b になるものを選ぶ

比例(y = ax)も選んでよい

 ※ それはたまたま「b = 0」
  書かなかっただけだから。

反比例を選んではいけない

 (反比例は1次関数ではない。)


これが中2数学で、
得点アップするコツです。


さあ、次の定期テストは頑張りましょう!

「学校ワーク」からたくさん出るので、
繰り返し練習が有効ですよ。
 

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