「傾き」と「変化の割合」、1次関数なら同じこと! | 中2生の「数学」のコツ

教科ごとの勉強法

中2です。「傾き」と「変化の割合」は同じもの?

 
中学生から、こんなご質問をいただきました。

「1次関数で、

 “傾き”と“変化の割合”は、同じものですか?」



結論から言うと、その通りです。

1次関数では、

“傾き”と“変化の割合”は
同じものと言えます。


1次関数 y=ax+b の“a”の部分は、

「比例定数」

「傾き」

「変化の割合」

という3つの呼び方があるんです。

(ちなみに“b”の方は、

 「切片」と呼ばれますね!)


以下は数学の「コツ」の解説です。

得点アップのポイントを語り、

“なぜ3つの呼び方があるの?”

という疑問にもお答えしますね。


数学では、

納得する = 実力アップする

と言えますから、

成績を上げたい中学生は、
ぜひ読んでみてください。


■「傾き」とは“斜め具合”のこと

中学内容では、

比例の話

1次関数の話

の両方で、「傾き」という言葉が出てきます。

中1数学、中2数学、

両方の得点アップに関わる部分です。


「傾き」というのは、

「直線の傾きの度合い(斜め具合)」

のことです。

グラフの見た目に関する話ですね。


たとえば、

“y=2x”“y=3x”で、

どちらの直線の傾きが大きいか?

と考えてみましょう。

(中1で学習した「比例のグラフ」です。

 中2生の皆さんは、
 グラフをかいて考えましょう。)


“y=2x”の、傾きは“2”

⇒ 原点から横(x方向)に1
  上(y方向)に2進んだ点を通る


“y=3x”の、傾きは“3”

⇒ 原点から横(x方向)に1
上(y方向)に3進んだ点を通る


グラフをかいて比べてみると、

“y=3x”のほうが、
斜めの角度が大きいですね。


つまり、

傾きの数値の大きい方が、
斜めの角度が大きい、


と言えます。

これが、「傾き」の意味です。

コツを1つ、押さえましたね!


■「変化の割合」は、割り算によるもの(“割合”なので)

一方、「変化の割合」は、

関数(x と y の関係)の中で、

「xが増える量に対して、
 yがどれくらい増えるか」


を表したものです。

割合(“割り”あい)という名前の通り、
割り算で求められます。


すなわち、

(yの増加量)÷(xの増加量)

のことですね。


具体例を使うと分かりやすいので、

たとえば、

y=3x+5 の変化の割合

を見てみましょう。


x|-1| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5
-----------------------------------------
y| 2 | 5 | 8 |11|14|17|20


関数でよく使う「対応表」ですね。

xの値が「1から3まで」増加するときの
変化の割合を、計算してみましょう。

★xの増加量=3-1=2

★yの増加量=14-8=6

(増加量とは「どのくらい増えたか」ですから、

 引き算で簡単に求められますよ!)


さて、「変化の割合」は、

(yの増加量)÷(xの増加量)

で求められますから、

(式)6÷2=3

これで、「変化の割合」が3と分かりました。


ちなみに、

“どこで測っても3になりますか?”

と疑問を持つ中2生もいると思います。

とても良い質問なので、念のために
試してみましょう。



xの値が「2から5まで」増加するときの
変化の割合も、計算してみます。

★xの増加量=5-2=3

★yの増加量=20-11=9

ですから――

◇変化の割合=9÷3=


やはり「3」になりましたね!


1次関数 y=x+5 では、

「変化の割合」はいつも一定です。

(どの部分で計算しても、「3」です。)


y=ax+b の“a”の部分にあたるのが、

y=3x+5 であれば「3」ですが、

ここが「変化の割合」を表します。


ですから、

“1次関数の場合は”

と条件はつきますが、

“傾き”と“変化の割合”は同じもの

と言えるのです!

中学生にとって、
数学の重要ポイントですね。



<おまけ>

■なぜ、「傾き」「変化の割合」という
 2つの違う名前があるの?

こんな疑問にお答えしましょう。

結論から言えば、

「傾き」は“直線”にしか使えない

◇「変化の割合」は、
 “直線”“曲線”のどちらでも使える

という説明が成り立ちます。


もう少し言い添えると、

・「傾き」は直線にしか使えないけれども、
 とてもイメージしやすい言葉なので

「比例」や「1次関数」の説明には有効!

と言えるのです。

ですから私も、このページでは
「傾き」を先に説明しました。


(イメージしやすかったですよね。

 「比例定数」という言葉も、

 比例のグラフの、
 “傾きが一定であること”

 示すものとなっています。)


一方で、関数というのは
直線だけではありません。


たとえば、中1で学習した
「反比例」も関数ですよね。

「変化の割合」は、
反比例にも使えるので、


この点で便利な言葉なのです。


■反比例でも「変化の割合」は使える!

このことについて、
具体例を見てみましょう。

y=30/x (x分の30) ← 反比例


「対応表」は次のようになります。

x| 1 | 2 | 3 | 5 | 6
-----------------------------
y|30|15|10| 6 | 5


xの値が「1から3まで」増加するときの
変化の割合を計算します。

★xの増加量=3-1=2

★yの増加量=10-30=-20

ですから、

◇変化の割合=-20÷2=-10


このように計算できますね!


“どこで測っても同じですか?”

という鋭い質問が、ここでも出ると思います。

結論から言えば、

反比例では、どこで測るかによって
変化の割合は変わります。



(どこで測っても同じなのは、

 直線の時だけ、すなわち、

 「比例」か「1次関数」の時だけなのです。)


確かめてみましょう。

上と同じ反比例の式で、

xの値が「2から5まで」増加するときの
変化の割合を計算してみます。

★xの増加量=5-2=3

★yの増加量=6-15=-9

ですから、

◇変化の割合=-9÷3=-3


先ほどと違う値になりましたね!

反比例は直線ではないので、

「変化の割合」を求めるには、

“どこで測るか”という要素が
必要になるのです。




[得点アップのコツ]

「変化の割合」を問う問題には、

「xの値が、○から△まで増加するとき」

「xの値が、○増加するとき」

といった言葉が添えられているので、

中学生の皆さんは、

その部分を見逃さず、
よく読んでから計算しましょう。


これで、「反比例」など、

直線以外の問題で
「変化の割合」が問われても、


ビックリせずに計算できますね!
 

合わせて読みたい!成績アップにつながるオススメページ
教科ごとの勉強法を知り、「50点アップ」へ!
「勉強のやる気」は本当に出るのか?
「オール5中学生の勉強法」 トップページ

次のテストで50点アップしたい方へ!奇跡の勉強法の詳細はこちら

運営者プロフィール

合同会社エンカレッジ 代表 佐々木勇気

合同会社エンカレッジ
代表 佐々木勇気

こんにちは、佐々木です。
私は10年間で200名以上の中学生の生徒さんを指導してきましたが、そのうち8割以上が「塾に行っても成績が上がらない」という悩みを抱えていました。しかし、多くの中学生の生徒さんを教える中で、そんな生徒さん達に共通する特徴があることが分かりました。⇒続きはこちら

合宿セミナー 最新情報

 

2日間で習得する評論読解セミナーを開催しました!

 

24時間で習得する英文法セミナーを開催しました!

詳細はこちら

実践者の喜びの声

 

茨城県在住 飛田様
中3の娘の成績が上がらず、
何か手立てはと悩んでいました・・・

 

愛知県在住 渕田様
私自信のあせりからか、
子供たちにプレッシャーを・・・

詳細はこちら

「オール5」を取れた秘密

 

私は中学時代にオール5を取りました。
なぜそれが可能だったのか?
その秘密をこのサイトで公開しています
詳細はこちら

このサイトについて

このサイトでは中学生の生徒さんたちの成績アップに直結する学習方法をご紹介しています。
成績が「オール5」であった私だけが出来るわけではなく、実際に私の教え子たちが成果を出して来た実績のあるノウハウをご紹介しています。
次のテストで50点アップできるよう、一緒に頑張っていきましょう。⇒続きはこちら

現在地:トップページ教科ごとの勉強法