中2です。「傾き」と「変化の割合」は同じもの?
中学生から、こんなご質問をいただきました。
「1次関数で、
“傾き”と“変化の割合”は、同じものですか?」
結論から言うと、その通りです。
1次関数では、
“傾き”と“変化の割合”は
同じものと言えます。
1次関数 y=ax+b の“a”の部分は、
◇「比例定数」
◇「傾き」
◇「変化の割合」
という3つの呼び方があるんです。
(ちなみに“b”の方は、
「切片」と呼ばれますね!)
以下は数学の「コツ」の解説です。
得点アップのポイントを語り、
“なぜ3つの呼び方があるの?”
という疑問にもお答えしますね。
数学では、
★納得する = 実力アップする
と言えますから、
成績を上げたい中学生は、
ぜひ読んでみてください。
■「傾き」とは“斜め具合”のこと
中学内容では、
◇比例の話
◇1次関数の話
の両方で、「傾き」という言葉が出てきます。
中1数学、中2数学、
両方の得点アップに関わる部分です。
「傾き」というのは、
★「直線の傾きの度合い(斜め具合)」
のことです。
グラフの見た目に関する話ですね。
たとえば、
“y=2x”と“y=3x”で、
どちらの直線の傾きが大きいか?
と考えてみましょう。
(中1で学習した「比例のグラフ」です。
中2生の皆さんは、
グラフをかいて考えましょう。)
“y=2x”の、傾きは“2”
⇒ 原点から横(x方向)に1、
上(y方向)に2進んだ点を通る
“y=3x”の、傾きは“3”
⇒ 原点から横(x方向)に1、
上(y方向)に3進んだ点を通る
グラフをかいて比べてみると、
“y=3x”のほうが、
斜めの角度が大きいですね。
つまり、
傾きの数値の大きい方が、
斜めの角度が大きい、
と言えます。
これが、「傾き」の意味です。
コツを1つ、押さえましたね!
■「変化の割合」は、割り算によるもの(“割合”なので)
一方、「変化の割合」は、
関数(x と y の関係)の中で、
「xが増える量に対して、
yがどれくらい増えるか」
を表したものです。
割合(“割り”あい)という名前の通り、
割り算で求められます。
すなわち、
◇(yの増加量)÷(xの増加量)
のことですね。
具体例を使うと分かりやすいので、
たとえば、
★y=3x+5 の変化の割合
を見てみましょう。
x|-1| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5
-----------------------------------------
y| 2 | 5 | 8 |11|14|17|20
関数でよく使う「対応表」ですね。
xの値が「1から3まで」増加するときの
変化の割合を、計算してみましょう。
★xの増加量=3-1=2
★yの増加量=14-8=6
(増加量とは「どのくらい増えたか」ですから、
引き算で簡単に求められますよ!)
さて、「変化の割合」は、
◇(yの増加量)÷(xの増加量)
で求められますから、
(式)6÷2=3
これで、「変化の割合」が3と分かりました。
ちなみに、
“どこで測っても3になりますか?”
と疑問を持つ中2生もいると思います。
とても良い質問なので、念のために
試してみましょう。
xの値が「2から5まで」増加するときの
変化の割合も、計算してみます。
★xの増加量=5-2=3
★yの増加量=20-11=9
ですから――
◇変化の割合=9÷3=3
やはり「3」になりましたね!
1次関数 y=3x+5 では、
「変化の割合」はいつも一定です。
(どの部分で計算しても、「3」です。)
y=ax+b の“a”の部分にあたるのが、
y=3x+5 であれば「3」ですが、
ここが「変化の割合」を表します。
ですから、
“1次関数の場合は”
と条件はつきますが、
◇“傾き”と“変化の割合”は同じもの
と言えるのです!
中学生にとって、
数学の重要ポイントですね。
…
<おまけ>
■なぜ、「傾き」と「変化の割合」という
2つの違う名前があるの?
こんな疑問にお答えしましょう。
結論から言えば、
◇「傾き」は“直線”にしか使えない
◇「変化の割合」は、
“直線”“曲線”のどちらでも使える
という説明が成り立ちます。
もう少し言い添えると、
・「傾き」は直線にしか使えないけれども、
とてもイメージしやすい言葉なので
⇒「比例」や「1次関数」の説明には有効!
と言えるのです。
ですから私も、このページでは
「傾き」を先に説明しました。
(イメージしやすかったですよね。
「比例定数」という言葉も、
比例のグラフの、
“傾きが一定であること”を
示すものとなっています。)
一方で、関数というのは
直線だけではありません。
たとえば、中1で学習した
「反比例」も関数ですよね。
「変化の割合」は、
反比例にも使えるので、
この点で便利な言葉なのです。
■反比例でも「変化の割合」は使える!
このことについて、
具体例を見てみましょう。
y=30/x (x分の30) ← 反比例
「対応表」は次のようになります。
x| 1 | 2 | 3 | 5 | 6
-----------------------------
y|30|15|10| 6 | 5
xの値が「1から3まで」増加するときの
変化の割合を計算します。
★xの増加量=3-1=2
★yの増加量=10-30=-20
ですから、
◇変化の割合=-20÷2=-10
このように計算できますね!
“どこで測っても同じですか?”
という鋭い質問が、ここでも出ると思います。
結論から言えば、
反比例では、どこで測るかによって
変化の割合は変わります。
(どこで測っても同じなのは、
直線の時だけ、すなわち、
「比例」か「1次関数」の時だけなのです。)
確かめてみましょう。
上と同じ反比例の式で、
xの値が「2から5まで」増加するときの
変化の割合を計算してみます。
★xの増加量=5-2=3
★yの増加量=6-15=-9
ですから、
◇変化の割合=-9÷3=-3
先ほどと違う値になりましたね!
反比例は直線ではないので、
「変化の割合」を求めるには、
“どこで測るか”という要素が
必要になるのです。
…
[得点アップのコツ]
「変化の割合」を問う問題には、
「xの値が、○から△まで増加するとき」
「xの値が、○増加するとき」
といった言葉が添えられているので、
中学生の皆さんは、
その部分を見逃さず、
よく読んでから計算しましょう。
これで、「反比例」など、
直線以外の問題で
「変化の割合」が問われても、
ビックリせずに計算できますね!
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私は10年間で200名以上の中学生の生徒さんを指導してきましたが、そのうち8割以上が「塾に行っても成績が上がらない」という悩みを抱えていました。しかし、多くの中学生の生徒さんを教える中で、そんな生徒さん達に共通する特徴があることが分かりました。⇒続きはこちら
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