「仕事」と「仕事率」の違いは、これだ! | 中3生の「理科」のコツ

教科ごとの勉強法

中3です。「仕事」と「仕事率」の違いは…?

 
中学生から、こんなご質問が届きました。

“仕事”と“仕事率”の違い

 よく分からないのですが…」



大丈夫、安心してください。

丁寧に解説しますね。


結論から言うと――

「仕事」とは、

“物体に力を加えて、動かすこと”です。

そして、時間は気にしません。


いっぽうで、「仕事率」

時間がポイントになります。

「仕事率」とは、

“1秒間”にできる仕事の大きさ

のことだからです。


ぜひ以下を読んでみてください。

さあ、成績アップへ、行きますよ!


■まずは準備体操を!

ところで、

仕事って何ですか?

 理科では特別な意味?”


と思った中学生はいませんか。

でも、そんな皆さんは、

こちらのページをまだ読んでいませんね?


理科における「仕事」の意味

科学の世界のルール

について、解説しています。

読んだあとに戻ってくると、

“すごく分かるようになったぞ!”

と実感がわくでしょう。


理科のコツは、基礎から1つずつ
積み上げることです。


実力アップに直結しますよ!



■「仕事の大きさ」とは?

では、準備のできた中3生に向けて、

本題へと進みましょう。


理科における「仕事」とは、

次のようなものでした。

物体に力を加えて、
 その力の方向に動かしたとき、


 ⇒ 力は物体に「仕事」をしたと言う


そして、科学では、

量や大小のはかれるものだけを
「仕事」と呼ぶのでしたね。


さて、ということは――

「仕事」の大小をはかるために、
単位が必要ですね。


そこで、

仕事の大きさを「J(ジュール)」
表すのです。

仕事(J) = 力の大きさ(N) × 力の向きに動いた距離(m)

と決まっています。


たとえば、

「5kg の箱を2m の高さに持ち上げる」

という場合、

重力(下向きの力)がありますね。

5kg の箱にはたらく
重力の大きさは、50N です。

この箱を持ち上げるには、

重力の反対向き(上向き)に
重力と同じ大きさの力が必要です。


・持ち上げるときの、力の大きさは 50(N)

・動いた(持ち上げた)距離は 2(m)

ですから、

仕事の大きさは――

50 × 2 = 100(J)

となるのです。


単位と計算に納得することで、

中3理科のコツが見えてきますね!



■「仕事率」とは?

教科書は、「仕事率」をこう説明します。


「仕事率」とは、

“1秒間”に何Jの仕事をするかを表す

 単位は「W(ワット)」

仕事率(W) = 仕事(J) ÷ かかった時間(s)


理解のコツとして、

たとえ話で解説します。


たとえば、英語の宿題で、

英単語の書き取りが100個あるとします。

これを、

2日間で終わらせる

10日間で終わらせる

という二択なら、あなたはどちらを選びますか?


「早く終わらせたいから2日間!」

とすれば、

1日に50個やらないといけませんよね。


「1回でたくさんやるのは嫌なので、

 10日間かけることにします」


と言えば、1日あたり10個です。


2つの例から、何が言えるでしょう?

それは、こういうことです。

2日でやっても、10日かけても、
 宿題の全体量は同じ


1日に取り組む量が変わるだけ

(早く終わらせたければ、
 1日の作業量が多くなってくる。

 1日の作業量を減らせば、

 その日の作業は楽だが、
 宿題を終えるのに日数がかかる。)


だんだん、話が見えてきましたね。


「仕事率」というのは、

この宿題の例で言えば、

1日あたり、英単語を何個書くか

という話になります。


そして、たとえ話が終わったところで、

理科の話に戻りますが――

理科における「仕事率」とは、

“1秒間”にどのくらいの仕事をするか

というわけです。

これによって、仕事の効率をはかります。


では、以下にコツをまとめますね。

具体例とともに書きます。



<まとめ>

5kg の箱を2m の高さに持ち上げる」とき、

「仕事の大きさ」は“100J”

(50N × 2m = 100J)


この箱を、“5秒”で持ち上げるなら、

「仕事率」は――

100(J) ÷ 5(秒) = 20(W)


“10秒”で持ち上げるなら――

100(J) ÷ 10(秒) = 10(W)


“50秒”で持ち上げるなら――

100(J) ÷ 50(秒) = 2(W)


時間をかけるほど、

1秒あたりの仕事量(仕事率)は
小さくなります。


(作業は楽になりますが、

 効率は下がっていると言えます。)


科学の世界では、このようにして、

仕事の大小

「仕事の効率」の大小

を議論するのです。

前者はJ(ジュール)を、

後者はW(ワット)を用います。

中3理科のコツが見えましたね!



さあ、中3生の皆さん、
次のテストは期待できそうですね。


定期テストは、「学校ワーク」から
たくさん出るものです。

スラスラできるよう、
繰り返し練習してください。


グイッと上げて、周りを驚かせましょう!
 

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