「音の伝わり方」と「音の速さ」 ⇒ 秒速“約”340m のワケ! | 中1生の「理科」のコツ

教科ごとの勉強法

中1です。「音の速さ」に納得できません…。

 
中学生から、こんなご質問をいただきました。

「音の速さなのですが、

 空気中では
 なぜ“秒速約340m”を使うのですか。

 天気によって変わるのでは?」



すごくいい質問ですね!

おっしゃる通りで、

気温・気圧によって、
音の速さは少しずつ変わります。


340 m の前に「約」が付いているのは
そうした事情もあるんです。


テストでは、ある理由で

秒速340m で計算しなさい

と言われることが多いですが、

実際には気象条件によって
誤差が出ること、


これを知っていることは、

今後、高校・大学と進んでいく中で
本当の理解につながります。


「なぜそうなるのか?」

と考える習慣は、

理科の力をグンと伸ばす鍵なので、

この記事では、“秒速約340m”
背景をお話します。

理解が深まり、忘れにくくなりますよ!


■「音の伝わり方」とは?

まずは、基本のお話から。

音は、ある物体(音源)が
振動することで発生します。


その音は、空気中を伝わって
私たちの耳に入ってきます。

音源から私たちの耳までの間に、

◇気体(空気)

◇液体(水)

◇固体(氷や壁) など、

何か物質があれば、音が伝わります。


一方で、宇宙や真空中では、

伝える物質がないため
音は伝わりません。



音が「伝わる」「伝わらない」という話も、

中学生のテストに出るので、

この法則を押さえるのがコツですね。


■音の速さは、なぜ“秒速約340m”?

では本題です。

実は、ここからの話は
教科書にあまり出てきません。


でも、中1理科が得意になるコツ、

背景知識の充実

につながるので、おすすめ情報です。

「へー、そうなんだ」という感じで
読んでみてくださいね。

秒速約340m という数値が、

より印象深く、しっかりと
記憶に残るでしょう。



空気中を伝わる音の速さは、

1気圧で、気温が0℃

という条件なら、毎秒331.5m です。

そして、

気温が1℃上がるごとに

毎秒0.6mずつ速さが増していく

という実験データがあります。


式で書くと、

◇音の速さ=331.5+0.6×[気温](m/s)


※“m/s”は“メートル毎秒”と読み、

 1秒間に進む速さを表す単位です。


空気が温かくなるほど、
速さも増すのですね。



ただし、

現実の世界の「天気」は、
場所によって細かく違います。


音が1秒間に300m 以上
進むといっても、

この約300mの間、

「空気の状態」がずっと同じとは
限らないのです。


途中で、風が吹くこともあるでしょう。

日なたや日陰があって、
気温の違いもあるでしょう。


ですから、現実には、

速さは一定ではありません。


しかしながら――

一定ではないからといって、

“計算できない”とあきらめるのは
良くないですし、


ここで工夫をするのが科学です。

多少のずれはあるという前提で、

なるべく正確な値に近づくよう、
科学者たちは考えたのです。


(この点では、「円周率」と同じです。

 円周率はおそらく無限に終わらない
 小数なのですが、

 だいたいの値、「3.14」
 用いることで、

 円の計測に役立っていますね。)


計算をシンプルにするために、

こんな習慣が生まれました。

・風の影響はいったん無視し、
 音が伝わる間は「すべて同じ状態」と考えよう

・気温は、地球の平均気温である「15℃」
 という設定にしよう

これにより――


 331.5+0.6×15

340.5(m/s)


「音の速さは秒速約340m」となったのです。


「約」がついているのも、
実は深い意味がありますね。

ただ単純に、

△「340.5の、小数を切り捨てて約340」

というだけではないんです。

○「空気中の気温や圧力によって、
  音の速さは微妙に変わりますが

という意味もこめた「約」です。

言葉の深さを知ることも、
実力アップのコツですよ!




<まとめ>

中1理科では、

「音の速さは秒速約340m」

としか習わないのですが、

こうした背景を知ると、

中1生の理解も深まり、
忘れにくくなるはずです。


“分かったぞ!”という楽しみは、

中学生にとって、
本当に大切なものなんです。


小学校で初めて実験をした時の
ワクワク感を、


いつまでも大事にしてくださいね!

“どうしてだろう”と色々考えて、

“分かったぞ!”と納得すれば、

視野がどんどん広がっていきます。


「頭が良くなる」「心が成長する」

と言われていることは、

こうした点でつながっているのです。
 

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