「中和」反応と、イオンの関係 ⇒ 楽勝！

中３です。「中和」の意味が分かりません…。

　
中学生から、こんなご質問が届きました。

「“中和”って何のことですか？

　酸性とアルカリ性の液体を混ぜると、

　中性になることでしょうか…」

とても良い質問ですね！

外れてはいませんが、
もう少し深い理解が必要です。

コツをお教えするので、よく読んでくださいね。

「酸性」「アルカリ性」とくれば、

「中性」と答えたくはなるでしょう。

でも、「中和」はそれだけではないんです。

さあ、成績アップへ、行きますよ！

■まずは準備体操を！

ところで、

「酸性、アルカリ性も分からないのですが…」

という中学生はいませんか。

でもそんな皆さんは、

こちらのページを、まだ読んでいませんね？

中３理科の学習項目である、

“イオン”の考え方を用いて、

「酸性」「アルカリ性」を解説しました。

読んだ後に戻ってくると、

“すごく分かるようになったぞ！”

と実感がわくでしょう。

理科のコツは、基礎から１つずつ
積み上げることです。

実力アップに直結しますよ！

…

■「中和」とは？

では、準備のできた中３生に向けて、

本題へと進みましょう。

酸性とアルカリ性ですが、

水溶液にしたときに、

・酸性には水素イオン（Ｈ⁺）

・アルカリ性には水酸化物イオン（ＯＨ⁻）

が含まれるのでしたね。

酸性の液体、塩酸（ＨＣｌ）に

アルカリ性の水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）を
加えたときの、

反応式を見てみましょう。

---------------------------
ＨＣｌ＋ＮａＯＨ

→(Ｈ⁺＋Ｃｌ⁻) ＋ (Ｎａ⁺＋ＯＨ⁻)

→ＮａＣｌ＋Ｈ₂Ｏ

---------------------------

さて、ここで注目したいのは

「水素イオン」と、「水酸化物イオン」が
結びつくとどうなるか？

ということです。

結論から言うと、「水」ができます。

Ｈ⁺ ＋ＯＨ⁻ → Ｈ₂Ｏ

こういうことで、

「水」ができるのです。

つまり、「中和」とは――

◇酸性の水溶液中の水素イオン（Ｈ⁺）と

　アルカリ性の水溶液中の
　水酸化物イオン（ＯＨ⁻）が結びついて…

　⇒ 水（Ｈ₂Ｏ）をつくる反応

ということです。

理科のコツをまた１つ、
今日も押さえましたね！

…

■「中和」 ⇒ 中性になるとは限らない！

ついでに、

大事なコツをもう１つ、
お話ししましょう。

「同じ濃度」で、「同じ体積」の

塩酸（酸性）と水酸化ナトリウム（アルカリ性）
を混ぜる場合なら、

できた液体は中性になります。

たとえば――

同じ濃度であれば、

塩酸１０ｃｍ³と水酸化ナトリウム１０ｃｍ³で、

液体は中性になります。

しかし、濃度や体積が違うなら、

中性にはなりません。

（これも大事なコツですよ！）

塩酸１０ｃｍ³ と

水酸化物ナトリウム５ｃｍ³ を
混ぜる場合ですが、

同じ濃度であれば、

塩酸のほうが多いので、
「酸性」になりますね。

いつでも中性になるのではありません。

濃度や体積をよく見ましょう。

そして――

中性にはならないとしても、

混ぜたときに「水」はできていますよ。

塩酸１０ｃｍ³と

水酸化物ナトリウム５ｃｍ³を
混ぜるのであれば、

塩酸５ｃｍ³ と水酸化物ナトリウム５ｃｍ³ は

◇ＨＣｌ＋ＮａＯＨ → ＮａＣｌ＋Ｈ₂Ｏ

という反応をしています。

中性にならなくても、

「水」はできるということです。

（Ｈ⁺ が全部なくなるわけではないので、

　Ｈ⁺ が残る分、酸性になるだけです。）

酸性とアルカリ性の液体を混ぜ、

少しでも水ができるなら、
それは「中和」反応といえます。

中和とは、

◇Ｈ⁺ とＯＨ⁻ が結びついて、Ｈ₂Ｏをつくる反応

のことです。

ですから――

液体が中性になっていなくても、

Ｈ⁺ ＋ＯＨ⁻ → Ｈ₂Ｏ

の反応が起これば、

「中和」と言えるのです。

これで納得ですね！

…

さあ、中３生の皆さん、
次のテストは期待できそうですね。

定期テストは、「学校ワーク」から
たくさん出るものです。

スラスラできるよう、
繰り返し練習しましょう。

一気にアップして、周りを驚かせましょう！
　