中2です。「直列」と「並列」で、電圧はなぜ変わるの?
中学生から、こんなご質問をいただきました。
「直列・並列と、電圧の関係が分かりません。
なぜ並列回路では、
“電源の電圧と同じ”になるのですか?」
大丈夫、安心してください。
今からコツをお教えしましょう。
電流や電圧は目に見えないものですが、
皆さんがイメージしやすいよう、
しっかり説明しますね。
■まずは準備体操を!
“そもそも、直列と並列って何ですか??”
という中学生はいませんか。
でも、そんな皆さんは、
こちらのページをまだ読んでいませんね?
「直列回路」と「並列回路」の
違いについて、
丁寧に解説しています。
上記ページを読んだ後に
まだ戻ってくると、
“すごく分かるようになったぞ!”
と実感がわくでしょう。
理科のコツは、基礎から順に
積み上げることです。
それが成績アップへの近道ですよ!
…
■「電圧」って何?
では、上記ページを理解した
中2生に向けて、
本題へと進みましょう。
「電圧」の話から始めます。
「電圧」とは、
“回路に電流を流そうとするはたらき”
のことです。
準備体操のページで、
私は「電流」を、水の流れに
似ていると言いました。
(回路は、「水の流れるプール」に
似ているのでしたね。)
「電圧」は、この話の“続き”となります。
すなわち――
「電圧」の話では、
・「流れるプール」が
「すべり台のあるプール」になった
とイメージすればよいのです。
さあ、中2理科のコツ、行きますよ!
水は、高いところから
低いところへ流れますね。
自然界なら、水は、
「高い山から低いところへ流れて海へ…」
と流れるだけですが、
今回は「水の流れるすべり台」が
ついたプールを考えます。
すべり台(ウォータースライダー)の
あるプールでは、
低いところへ流れた水を、
すべり台の上へ戻す必要があります。
高いところへ、あらためて
水を運ばないといけないですね。
実は、ここにポイントがあるんです。
すべり台の上へ、水をくみ上げる際、
◇「水を持ち上げる装置(ポンプ)」が、「電池」
◇「水を持ち上げる力(=高さ ※)」が、「電圧」
このようにイメージすると、
理解しやすいのです。
(※「水が3cm のところまで上がった」のと
「水が7cm のところまで上がった」のとでは、
7cm のところまで上げるほうが
力が必要になりますね。
「より高さがある=電圧が大きい」
とイメージできるでしょう。
なぜ“高さ”が電圧になるかというと、
より高いところから流せば、
流れる勢いが強くなるからです!)
…
■「電圧=高さ」というイメージ
「すべり台つきのプール」の話を続けます。
水を高いところまでくみ上げたら、
今度は、2種類のすべり台を使って、
水を上から流してみましょう。
1.すべり台が1本で、下にあるプールの水面と
平行な部分が途中にあるもの
_/ ← 横から見ると、こんな感じです
_/
このすべり台を、皆さんがすべる
ことにしましょう。
上からすべると、
途中の「平行な部分」で
いったん速度が落ちますよね。
これが「抵抗」です。
◇「速度が落ちる」→「水が流れにくくなる」→「抵抗」
このように理解すればよいのです。
ちなみに、先ほども言いましたが、
このすべり台は「1本」ですよ。
途中に“平行な部分”はありますが、
すべり台としては1本です。
つまりこの例は――
「直列回路」の話なのです。
1本のすべり台の途中に、
スピードが落ちる「抵抗」がある、
それは、1つの回路の途中に、
「抵抗器」が入ったという
イメージです。
また、このイメージで言えば、
横線(=水面と平行な部分)を
抵抗器と考えてほしいので、
すべり台の一番下にも、
横線(水面)がありますね。
スピードはここでも落ちるので、
そこも「抵抗器」と考えてください。
つまり、このすべり台の例は、
直列回路の中に、「抵抗器」を
2つ置いている状態です。
「抵抗器2個を、直列につないだ」
ということですね。
すると、スピードは2回分落ちます。
電流が流れにくい(抵抗が大きい)ことが
ここから分かるのです。
さて、この図では、
「高さ」と「電圧」が関係するので、
途中に平行なところがある分、
水の流れる勢い(=電圧)は
途中で落ちます。
ですから、直列回路の電圧は
場所によって違うのです。
ちなみに、回路全体(電源)の電圧は、
「各抵抗の電圧の和」になります。
流れる勢いが途中で弱くはなりますが、
弱い流れを全部合わせたものが、
全体の勢い(=電圧)になる、
という意味ですよ。
これが「直列回路」における電圧です。
2.すべり台が2本で、下まで一気に滑り落ちるもの
/ ← 横から見ると、こんな感じです
__/
今度は「並列回路」の話ですが、
これをすべり台で表すと
こんな感じになります。
このすべり台は2本で(※)、
途中に水面と平行なところはありません。
(斜面の長さを2倍にしておきました。
これで「2本のすべり台をつなげた」
とイメージしてください。)
ちなみに、
水面の長さも2倍にしてあるのに
気づきましたか。
「抵抗器」を2つ使っている
という意味です。
ただし、「並列回路」の話なので、
「抵抗器2個を、並列につないだ」
というイメージでお願いします。
さて、このすべり台を
すべってみましょう。
さっきより勢いがありますね!
途中で邪魔をする部分がないので、
一気にすべり落ちることになります。
これは、並列回路の方が
電流が流れやすい(※)という意味です。
(※ 勢いよく流れる、
すなわち電圧が大きいということ。)
また、すべり台の途中で
流れの勢いは変わらないので、
「並列回路」では、
どこで測っても、電圧は同じになります。
これで「直列」と「並列」の違いが
イメージしやすくなりましたね!
…
さあ、中2生の皆さん、
次のテストは期待できそうですね。
定期テストは、「学校ワーク」から
たくさん出るものです。
スラスラできるよう、
何度も練習しておきましょう。
理科もグググッと、上げられますよ。
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私は10年間で200名以上の中学生の生徒さんを指導してきましたが、そのうち8割以上が「塾に行っても成績が上がらない」という悩みを抱えていました。しかし、多くの中学生の生徒さんを教える中で、そんな生徒さん達に共通する特徴があることが分かりました。⇒続きはこちら
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