「質量」と「重さ」は、何が違うんですか…?
中学生から、こんなご質問が届きました。
「中学生になったら、
“質量”と“重さ”という
2つの言葉が出てきました。
何がちがうのですか?」
なるほど、とてもよい質問ですね。
★「質量」と「重さ」の違い
は、中学理科の大きなポイントで、
成績アップの鍵なんです。
分かりやすくまとめるので、
読んでみてくださいね!
■“場所によって変化しない”って?
「質量」と「重さ」について、
教科書ではこんな風に説明されます。
------------
◇「質量」
------------
・場所によって変化しない、物体そのものの量のこと
・上皿てんびん、または電子てんびんで測定
・単位は“g”や“kg”
------------
◇「重さ」
------------
・物体にはたらく重力の大きさのこと
・ばねばかりで測定
・単位は“N(ニュートン)”
このように書かれています。
中学生の皆さんは、次のように
感じることが多いでしょう。
「えっ?“場所によって変化しない”って、
重さっていうのは、
はかる場所によって変わるんですか?」
はい、実はそうなんですよ。
皆さんのこの感じ方じたいに、
理解のコツがあるんです。
「重さ」は「物体にはたらく重力の大きさ」なので、
“重力が違うところ”ではかると、
変わってしまいます。
例えば、ここに、
★粒の大きいブドウ
が一房あるとしましょう。
これをばねばかりではかったら、
目盛りが600gのところで止まりました。
また、上皿てんびんではかったら、
600g分の分銅とつり合いました。
ところが、宇宙には、
“重力がちがうところ”がたくさんあります。
たとえば、「月」です。
月の重力は、地球のおよそ6分の1
と言われています。
先ほどはかったブドウを、
月面で同じようにはかったら、
どうなるでしょうか?
ばねばかりの場合、
ブドウを下に引く重力が、
地球より弱くなってしまうので、
地球上での6分の1、
目盛りが100gで止まってしまいます。
(面白いですね!
これが重力の違いです。)
でも、もう1つ面白いことがあります。
ばねばかりではなく、
上皿てんびんを使って、
月面で再度はかってみましょう。
ブドウを引っ張る力が
地球上の6分の1ならば、
分銅を引っ張る力も地球上の6分の1。
地球でつり合ったブドウと分銅は、
月面でもつり合います。
しかも、分銅は、600g分の分銅です。
(重力そのものが弱いので、
ブドウを引っ張る力も、
分銅を引っ張る力も、
平等に地球の6分の1だからです。
重力の違いはあっても、
つり合いは保たれるんですね!)
…
さて、ここから何が言えるでしょうか。
ばねばかりの結果だけを見ると、
「地球で600g あったブドウが、
月面では100g?
月に行く途中で食べちゃったのかな?」
と思う中学生もいるかもしれません。
しかし、
上皿てんびんの結果を見ると、
ブドウと分銅はつり合っているから、
ブドウじたいは減っていない、
と分かりますよね。
つまり――
物体そのものの量は変わっていないのに、
月の重力が、地球の重力よりも
引っ張る力が弱いので、
ばねばかりではかった時に
重さが変わってしまったのです。
地球以外の場所では、
こういう事がよく起こるんですよ。
…
<まとめ>
こんなわけで、
宇宙の話も含む、理科の世界では、
◇「物体そのものの量」を表すときには「質量」
◇「重力の大きさが関係する力」を表すときには「重さ」
と使い分けるルールがあります。
小学校や、日常生活では、
重さの単位は“g”や“kg”ですが、
中学生・高校生の理科では、
★「質量」の単位が“g”や“kg”
★「重さ」の単位は“N(ニュートン)”
となるので、これから慣れていきましょう!
…
<おまけ>
重さ(重力)が変わるのは、
宇宙で実験するときの話が
多いのですが、
実は、地球上でも場所によって、
「重さ」は変化します。
たとえば、
赤道と北極・南極、高い山の頂上などでは、
「重さ」は変化しますよ。
とても微妙な変化なので、
細かくはからないと分からないのですが、
理科(科学)は、こうしたところまで
きっちり確かめるものなんです。
少しの差であっても正確にはかるために、
★「質量」と「重さ」の違い
をきちんと分ける必要があるんですね。
このように、中学理科は、
大人の始まりです。
この記事で紹介した“具体例”も、
よく覚えておきましょう!
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私は10年間で200名以上の中学生の生徒さんを指導してきましたが、そのうち8割以上が「塾に行っても成績が上がらない」という悩みを抱えていました。しかし、多くの中学生の生徒さんを教える中で、そんな生徒さん達に共通する特徴があることが分かりました。⇒続きはこちら
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