理科の世界の、「仕事」の意味はこう! | 中3生の理科のコツ

教科ごとの勉強法

中3です。理科でいう「仕事」は、どんな意味…?

 
中学生から、こんなご質問をいただきました。

理科でいう、“仕事”の意味が分かりません…。

 日常の“仕事”とは、ちがうのですか」



すごく良い質問ですね!

中3生の成績アップの鍵なので、
しっかり解説します。


ぜひ読んでみてくださいね。

合格へ向けて、さあ、行きますよ!


■日常生活の「仕事」とは?

では、中3生の皆さんに、

私から質問です。

「仕事」「仕事をする」という言葉は、

どんな時に使いますか?


5秒考えてください。



はい、ではどうぞ~~!!


(「…ええぇっ?」

 と思う中学生もいるかもしれませんが、

 元気のいい声が響きましたね。

 皆さん、さすがです。

 このサイトの効果で、
 勉強が楽しくなったんですね!



------------------------------------
・「思いものを運ぶ“力仕事”

・「会社やお店で働くことでしょ?」

・「家事だって、“家の仕事”だよね?」

・「体を動かさなくても、書類を作ったり、

  会議したりする“仕事”もあるよ」

------------------------------------

さて。

良い答えがたくさん出ました。


これらの“仕事”をすると、

きっと「疲れたー!」となると思います。


そして、

「たくさん疲れた」と言う人がいたら、

たぶんその人は、

たくさん仕事をしたのでしょう。(← 推定


ただ――

私はいま、「たぶん」と言いました。

そして右に、「推定」と書きました。

なぜでしょうか?

それは、個人差が大きいからです。


AさんとBさんが
同じ内容の仕事をしても、

Bさんはその仕事が
「初めて」だったのなら、


Bさんの方が疲れたと思います。(気疲れ)

あるいは、Aさんが風邪気味だったら、

Aさんの方が疲れたかもしれません。


疲れはこのように個人差があるので、

2倍疲れた人が、
2倍仕事をしたとは限りません。


体調や年齢、経験によるでしょう。

それに――

体を動かす仕事(肉体的な仕事)と、

頭を使う仕事(精神的な仕事)では、

仕事の量や大小を
比べられないですよね。



実は、ここにコツがあるんです。


理科(科学)というのは、

量や大小を「数値化」して比べる

というルールに基づいています。


(重さならグラム、速さなら時速、

 電流ならアンペアのように、

 「単位」を決めるのは、

 数値化して大小を比べるためなのです!)


そのため、私たちが日常使う、

肉体面・精神面が混ざった“仕事”
という言葉は、


理科でそのまま使うことはできません。


理科では、もう少しせまい範囲に、

意味を限定するのです。

それによって、

「仕事の大小」を比べることが
できるようになります。


中3生の理科のコツが、
ここから見えてきますよ!



■理科で使う「仕事」とは?

理科(物理)では、

量や大小のはかれるものだけを
「仕事」と考えます。


教科書には、こう書かれています。

物体に力を加えて、
 その力の方向に動かしたとき、


 ⇒ 力は物体に「仕事」をしたという


このように、

“ものを動かす話”に限定するのです。


たとえば、こういうことです。

床に荷物があるとしましょう。

この荷物には重力(下向きの力)
かかっていますね。

この荷物を、運ぶために持ち上げましょう。


荷物を持ち上げるには、

重力の反対向き(上向き)に、

重力と同じ大きさの力が必要です。

そして、こうして持ちあげたとき、

「仕事をした」と言えるのです。


ちなみに――

この荷物を持ち上げたまま、
横に運んでみましょう。


持ちあげたまま、

“横に動かす”のも
同じく「仕事」でしょうか?



(今から、理科によくある

 “引っかけ”の話をします。

 よく読んでくださいね!)


実は、理科の世界では、

持ちあげたまま横に運ぶのは
「仕事」とは言いません。


理科の「仕事」は、

重力にさからって、

逆向きの力(上向き)の力を
加えることです。


もともと存在する力に、
逆らうことが必要なのです。

(横方向の「仕事」は、

 “つな引き”で引っ張りあうような場合です。

 これは、力に逆らうことになるので

 「仕事」と言えます。)


持ちあげたまま横に運ぶ場合、

“持ち上げる”のは仕事ですが、

“横に運ぶ”のは違います。

この荷物には、横方向から
邪魔をする力はないので、

横移動は、力に逆らうことには
ならないからです。


こうした“引っかけ”を理解し、

気を付けるのも
実力アップのコツですよ。



このように、同じ言葉(用語)でも、

日常で使う場合と、

理科で使う場合では、

意味が異なることがあります。


科学の世界では、

量や大小は「数値化」しないといけない

というルールを、

しっかりと押さえましょう。


「仕事」を数値化するために、

どんな単位があるかについては、

これから別記事で解説します。


中3生の皆さんは、

まずは準備体操として、
ここまでを理解してくださいね!
 

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