「模範解答」を真似ると、頭が良くなりますか？｜「問題集」の勉強法（中学生）

「模範解答」を真似ると、頭が良くなるんですか？

　
中学生から、こんなご質問をいただきました。

「模範解答を真似する方法で、

　本当に頭が良くなるんですか？」

以前ご紹介した、“問題集の使い方”を
読んでくださったんですね。

はい、結論から言うと、

模範解答を参考にすれば、
成績が上がりますし、頭も良くなります。

特に「数学」はそうなので、

安心して、ご紹介した方法を
使っていただければと思います。

以下では、“得点が上がる理由”を
解説していきますね。

■「学ぶ」基本は、“モデル”の観察！

美術のデッサンをする時、

・モデルを「よく見なさい」

・細部まで「よく見ること」が第一歩

とアドバイスされますよね。

スポーツや音楽でも、
上手な先輩やコーチの身のこなし、

一流選手やプロの姿をよく見て、

“ああなりたい”と思いながら
技術を取り入れると、

上達が早まる事を、皆さんもご存知でしょう。

要するに――

広い意味で「学ぶ」とは、
そういうことなのです。

習う（ならう）というのは、
倣う（ならう）ことですし、

学ぶ（まなぶ）という言葉じたい、もともと
真似る（“まねぶ”）ことです。

ひらがなで書いてみると分かりますが、

漢字伝来より古い時代の、
もともとの日本語（和語）において、

「ならう」ことも「まなぶ」ことも、

“先輩を見習う”ことでした。

（まずよく見る ⇒ そして、「習う＆倣う」）

古代の人々は、

「学ぶ」ことの本質について、
よく考えていたことが分かりますね。

どうやったら最も速く、
効率よく上達するか、

言葉じたいを、ヒントとして残したのです。

ですから、たとえば「数学」に関して、

皆さんの最も身近にいる
“すごく上手な先輩”というのは、

学校ワークについている「模範解答」ですね。

（しかも、定期テストは
その学校ワークから出ることも、

皆さんはすでに知っています。

　“何が出るか”は、ほぼバレているのです。）

こう考えてみると、

自分の力だけで不器用に続けるより、
先輩（模範解答）を参考にするほうが、

ずっと速いし得点も上がると分かります。

そして、“定期テスト前にはワークを３周”という、

「テスト高得点の鉄則」も、
この方法なら間に合うと分かりますね！

■「誰を見習うか」の判断が、“頭の良さ”

もしかすると、

△真似はよくない

△何でも全て、自力でやるのが「自立」

と思っている人もいるかもしれません。

ただ、冷静に考えてほしいのですが、

数学のテストは美術展ではないので、
解き方に「独創性」は求められません。

（論理的に計算していく力を
　見ているだけですし、

　それには中学生みんなが学ぶべき
　“考え方のモデル”があります。

　よくある方法を、知っているかどうかが
　試されているのです。）

また、“何でも自力でやらねば格好悪い”
と思うのであれば、

毎日食べるご飯も、料理はもちろん、
米や野菜作りから自分でせねばならない、

ということになります。

つまり、ちょっと考えれば、

人間にとって、そもそも「全部を自分でやる」
のは時間的に無理、と分かります。

だとしたら、テストで問われているのは
自力でやりぬく力ではありません。

限られた期間内に、効率よく、
決まった事柄を身につける計画性なのです。

それは、

・いつ、誰に質問すれば速いか

・何を見て、参考にすればよいか

を考え、実行していく力です。

中学生に求められる“頭の良さ”とは、
結局そういう事なのです。

（分からない問題は模範解答を見ましょう、

　それでも分からなければ、
　学校の先生か塾の先生に、

　あるいは家庭教師に“すぐ”質問すべき、

　と私が言い続けているのは、
　こうした背景があるからでした。）

…

というわけで、

模範解答をじっくり見て、

参考にしながら解けば、得点も上がるし
「頭も良くなる」ということ、

きっと納得してもらえたと思います。

このページの一番上でご紹介した、

“問題集の使い方”の記事を
改めてじっくり読み、利用してくださいね！
　